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「厳選!ヴィルトゥオーゾシリーズvol.6」佐藤晴真スペシャルインタビュー
佐藤晴真ⓒSeiichi Saito

佐藤晴真スペシャルインタビュー

ミュンヘン国際音楽コンクールチェロ部門における日本人初の優勝という歴史的快挙は、今もなお人々の記憶に鮮烈に焼き付いています。
人気、実力ともに誰もが認めるところとなった佐藤さんですが、現在はベルリンに拠点を置き、さらなる高みを求めて日々研鑽を続けています。そんな佐藤さんの演奏家としての魅力を紹介すべく、10の質問に答えてもらいました。

Q1・小学生の頃の風景で一番に思い出すのはどこですか?
小学校のグラウンドです。当時はかなり活発な少年でして、お昼休みの20分間で、今では考えられないほど全力でドッジボールをしていました。人生で一番時間を有効活用していた時代かもしれません。
あとは、母が支度する夕ご飯の匂いがする中、夕日の当たるリビングで練習している光景は、未だにとても覚えています。バッハを弾くと今でも思い出します。



Q2・プロフェッショナルになることを意識したのはいつ頃で、どんなきっかけでしたか?
明確なきっかけやターニングポイントは無く、気がつけばチェロを弾くことが小さい頃からの日課になっていました。マイペースに自分の音楽と向き合えたおかげで、今も楽しむことを忘れずに演奏活動ができているのかなと思っています。


Q3・大事な決断を迫られたときや、なにかを選択するときの基準やルールはありますか?
あまり深く考えすぎないことです。自分の性格上、かなり腰が重く慎重に考えてしまうので、まず自分の本当にしたいことは何かを最優先に考え、それをとりあえずやってみることにしています。「心配とはイマジネーションの無駄遣い」という言葉を大事にしています。


Q4・ドイツで暮らしてみて、日本人であるご自身や日本という国に対する見方に変化はありましたか?
日本での生活はとても守られていたものだったなと感じます。そもそも一人暮らしをするのはベルリンが初めてでしたので、生活する難しさ、忙しさに当初は翻弄されていました。
日本はとても安全ですし、便利です。しかし駅を歩くとどれを見たら良いか分からなくなるほど沢山の案内板、街には轟音と共に光る広告が目に入ります。帰国した時にそれを改めて見ていると、クラシック音楽が自然と生まれてくる精神的余白は、やはりヨーロッパでしか感じられないものなのかなと思いました。



Q5・今後、行ってみたい国はありますか?(理由も教えてください)
 北欧の国に行ってオーロラを眺め、スペインに行って本場のパエリアを食べ、南フランスに行って夕日に染まる葡萄畑を見たいです。


Q6・同世代で気になる存在(人物)はいますか?(音楽以外でもOK)
思い浮かびませんでした…。


Q7・現在使用されている楽器(宗次コレクションより貸与されたE.ロッカ1903年)について教えてください。
 エンリコ・ロッカによる楽器で、父親であるヨーゼフも有名です。楽器自体かなり分厚く設計されており、とてもパワフルで伸びのある音が特徴です。ご縁があり、宗次様からお貸しいただくことが決まった際、イギリスの楽器屋へ取りに行ったのですが、そこで初めて弾いた1音目から一目惚れならぬ一弾き惚れしてしまった楽器でした。


Q8・初めて師事された林良一さん、東京で師事されていた山崎伸子さんと中木健二さん、現在ドイツで師事されているJ=P.マインツさんはそれぞれどんな師匠でしょうか?
6歳で人生で初めてチェロという楽器に触れ、楽譜を読み、そして何より音楽の楽しさを最初に教えてくださったのが林良一先生です。最初の頃は練習曲が中心でしたが、11歳になり初めて自分から弾きたいと思った作品、パガニーニ作曲『カプリス第24番(チェロ編)』に出会いました。それを先生に相談したところ、自由に弾かせて下さったので、それから更にチェロに打ち込むようになりました。
山崎伸子先生は、体の使い方や楽器の扱い方などの技術面、作曲家による音の違いやピアノとの室内楽的な絡み方などの音楽面、この両方を教えてくださいました。初めてレッスンに伺った時、「立派な音が出せるようになりなさい」とおっしゃられたのをよく覚えています。名古屋から上京したての私に愛をもって接してくださり、時には本音で叱ってくださる、本当に特別な存在だと思っています。
音楽自体に興味を持ったのが4歳半の頃で、そのきっかけというのが実は中木健二先生のチェロでした。兄の通っていたヴァイオリン教室の発表会にゲストとして弾きにいらしていたのです。その後高校2年生から中木先生に師事できることになり、不思議なご縁を感じずにはいられませんでした。作品をどう構築していくか、という全ての時代の音楽に共通する問題を、中木先生はロジカルな観点から教えてくださいました。
J.P.マインツ先生は“音楽的に弾くための技術”として、先生の持つ演奏技術を音楽と密接に関係付けながら教えてくださいます。頭でっかちな音楽ではなく感性で演奏することを忘れさせない、とても素敵な教えだと思います。マインツ先生のハイドンが私はとても好きで、レッスンでワンフレーズ弾いてみせてくださるだけでも「あぁ、ドイツに来てよかった」と思えるほどです。CD録音が出ているので、これを読んでくださっている皆様にも是非聴いてほしいですね。



Q9・佐藤晴真とは、どんな音楽家ですか?
ある尊敬する方に「佐藤さんは鍛錬の人ですね」と言われたことがありました。それがどこか嬉しく感じ、またいつもそうでありたいなと思いました。
音楽家という職業が向き合っているものは、芸術というとても大きなものです。練習という行為そのものが、崇高な芸術に触れられる素晴らしいことだと感じるのです。今後もこの幸せを感じつつ楽しみながら鍛錬していきたいと思っています。



Q10・最後に、「これだけは厳選している!」というこだわりのもの・ことがあれば教えてください。
革製品が好きで、特に普段から靴は大事にしています。きっかけは演奏会用の良さそうな靴を探し始めただけでしたが、気がつけば普段履く靴も革靴になり、演奏で旅に出るときはスーツケースの約半分を靴&靴磨きセットが占領するまでになってしまいました。本番前にはいつも靴を磨いてから舞台に立つようにしています。


【公演情報】
厳選!ヴィルトゥオーゾシリーズvol.6 佐藤晴真チェロ・リサイタル
7月24日(日)14:00開演(13:15開場)
練馬文化センター小ホール
佐藤晴真(チェロ)、久末航(ピアノ)
https://www.neribun.or.jp/event/detail_n.cgi?id=202203151647332636

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