講師の言葉 「若林奮(1936-2003)は、アジア太平洋戦争後の日本での彫刻表現の可能性を大胆かつ緻密に探求しつづけた大切な彫刻家。国際的な評 価も高いものの彫刻が生まれる場の特性にとりわけ敏感な感受性と精神性の持ち主であり、「振動尺」と呼ばれるシリーズ以後、はっきりと自作を包む時空の広がりにより一層敏感になっていく。場を安易に離れたりしない。「庭」が最晩年の最重要モチーフとなった。犬に仮託した空間表現である《Run and Rest》(1996年、練馬区立美術館蔵)もまた環境との対話性を宿している。そのような若林奮独自の世界を少しでも浮きあがらせられたらと思う。」