鹿島茂氏は、執筆活動のみならず膨大な古書コレクションを所有するコレクターとしても知られています。練馬区立美術館では、その愛蔵コレクションを連続して紹介する展覧会を開催。第1回目は19世紀フランスを代表する挿絵画家J.J.グランヴィルを取り上げ、第2回目は、共にフランス、ナント出身のアール・デコを代表するアーティスト、ジョルジュ・バルビエとジャン=エミール・ラブルールを紹介しました。
第3回にあたる本展では、19世紀から20世紀初頭のアール・デコの時代までに描かれたファッション・プレート(ファッションイラストの版画)を紹介し、それぞれの時代の流行のファッションから、華やかな女性の装いを展覧します。また、フランス史に名を遺した高貴な身分の女性たちの装いや地方の伝統的衣裳、職業別の装いなどの風俗描写、文学作品の豊かな世界観を再現したエレガントな挿絵を通して、フランス近代の熟達したイラストレーションの世界を披露します。
併せて、京都服飾文化研究財団の貴重なコレクションより、同時代を代表する華麗な衣裳を展示、描かれた衣裳と実際の衣裳を見比べることで、より立体的に当時のパリの装いを楽しむと同時に、モダン・パリの雰囲気をお楽しみください。
<開催案内>会 期 2013年7月14日(日曜)~9月8日(日曜)
休館日 月曜日(ただし7月15日は開館、翌日休館)
開館時間 午前10時~午後6時※入館は午後5時30分まで
観覧料 一般500円、高・大生および65歳から74歳300円、
中学生以下および75歳以上無料
(その他各種割引制度あり)
主 催 練馬区立美術館/読売新聞社/美術館連絡協議会
後 援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
特別協賛 資生堂
協 賛 ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網
ファッションプレートを手掛けたアーティスト19世紀ではオーラス・ヴェルネ(1979-1863)、ルイ=マリー・ランテ(1789-?)、ガヴァルニ(1804-66)を、20世紀初頭ではアール・デコの時代に活躍したシャルル・マルタン(1848-1934)、アンドレ・マルティ(1882-1974)、ジョルジュ・ルパップ(1887-1971)を中心に取り上げます。
ジョルジュ・バルビエも再登場します。
ルイ=マリー・ランテ没年等詳細不明。1824~38年までサロンに油彩画、水彩画を出品。1817年からモード雑誌の挿絵を手掛ける。
ガヴァルニ1804-66。フランス、パリ生まれ。国立技芸学校で製図を学ぶ。1829年に風景画をサロンに出品。その翌年から、モード雑誌のファッション・プレートを手掛けるようになる。19世紀フランスを代表する諷刺画家、石版画家。
<会期中のイベント>
特別講演会
鹿島茂氏(フランス文学者、明治大学国際日本学部教授)講演会
「ファッション・プレートについて」 日時 8月10日(土曜)午後2時30分~4時
対象 中学生以上
深井晃子氏(京都服飾文化研究財団チーフ・キュレーター)講演会「浪漫衣装から現代衣服へ」
日時 8月24日(土曜)午後2時30分~4時
対象 中学生以上
貫井図書館共同主催:銀河万丈氏(声優)による読み語り 読み語り題目 夢野久作「童貞」ほか
日時 8月4日(日曜)午後3時~4時30分
対象 中学生以上
ギャラリートーク鹿島茂氏(フランス文学者、明治大学国際日本学部教授)
日時 7月27日(土曜)午後3時~4時
シャンソン・コンサート 出演 広瀬敏郎氏(シャンソン歌手)
日時 8月3日(土曜)午後3時~4時30分
場所 美術館ロビー
鹿島茂氏プロフィール1949年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、1999年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞、他著作多数。共立女子大学教授を経て、2008年4月より明治大学国際日本学部教授。専門は19世紀フランス文学。