油彩・版画など当館では100点近くを所蔵している大沢昌助(1903~97)。その父・三之助(1867~1945)は、東京帝国大学にて辰野金吾の教えを受けた建築家であり、日本の建築界の基盤つくりに尽力し、今日の東京藝術大学建築科を立ち上げた人物でした。三之助は1907~10年ヨーロッパに留学し建築装飾の調査を行います。当時の最先端の美術動向に触れ、雑誌などを持ち帰ってきますが、昌助が絵を描き始めたのはそんな父の影響がありました。
画家を志したこともある三之助の残されたスケッチブックには、古い寺社や装飾文様の素描のほかに、みずみずしい風景がたくさん描きとめられています。
この展覧会では、建築設計図案や水彩画などにより大沢三之助の業績を検証。教育者として三之助が育てた異色の建築家や美術家たちの仕事も紹介します。また、伸びやかな環境で育まれた昌助の少年時代の水彩画、兄弟で作り続けた同人誌「GOOD HOPE」や“紙映画”など、めずらしい資料も公開します。
<開催案内>会 期 2010年10月31日(日曜)~12月23日(木曜・祝日)
休館日 月曜日
開館時間 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
観覧料 一般500円、高・大学生、65歳から74歳300円、
中学生以下および75歳以上無料(その他割引あり)
後 援 (社)日本建築学会
協 賛 サントリーホールディングス株式会社、大日本印刷株式会社
助 成 芸術文化振興基金
<関連イベント>スペシャルトーク祖父・三之助と父・昌助について、知られざるエピソードを伺います。
日時 11月14日(日曜) 午後2時~3時30分
大沢泰夫氏(画家/大沢三之助 孫、大沢昌助 長男)
ワークショップ 大沢さんちのクリスマス(紙映画上映会)紙映画は、大沢家みんなが集まって楽しんだイベント。海賊がでてくる冒険モノやたのしい物語も。ストーリーもキャラクターも全部、大沢昌助と兄弟が考えたオリジナルです。おとなもこどもも、家族そろってご参加ください。
日時 12月11日(土曜) 午後2時~3時15分
学芸員によるギャラリートーク 日時 11月6日(土曜)、20日(土曜)、27日(土曜)、
12月4日(土曜)、18日(土曜) 各日午後2時~3時