麻田浩(1931~97)は、日本画家、麻田辨自を父に、同じく日本画家、鷹司(1928~87、2000年に当館で回顧展を開催)を兄に持つ、美術家の一家に生まれました。同志社大学経済学部に入学するものの、画家への道は捨てきれず、新制作協会に出品、在学中に初入選を果たします。
初期にはアンフォルメルに傾倒しましたが、1963年、初めてのヨーロッパ旅行にて古典絵画を再確認したことで、徐々に変化が表れます。1971年、39歳のとき再度渡欧。パリを拠点に、より幻想的な風景画を生み出し、新制作展や安井賞展などに出品し続けました。また、ヨーロッパ滞在期には版画制作にも力を入れ、カンヌ国際版画ビエンナーレではグランプリを獲得。フランス・ドイツ・ベルギーなどでも個展を開催しています。
1982年、50歳で帰国。京都に戻り、京都市立芸術大学西洋画科の教授を務めながら、水滴や羽根などの自然物を配した「原風景」とともに、「原都市」と名づけられた美しき廃墟空間を描き続けました。1995年には京都市文化功労者となり、同年に第13回宮本三郎記念賞を受賞するなど活躍を続けていましたが、1997年、65歳で自ら命を絶つこととなります。
本年は麻田が没して20年という記念の年にあたります。初期から晩年まで、約140点の油彩画、版画等を通し、麻田の画業を振り返る展覧会です。
<開催案内>練馬区独立70周年記念展
没後20年 麻田浩展―静謐なる楽園の廃墟―
会 期 2017年9月28日(木)~11月19日(日)
休館日 月曜日 *ただし、10月9日(月・祝)は開館、翌10日(火)は休館。
開館時間 午前10時~午後6時 *入館は午後5時30分まで
観覧料 一般800円、高校、大学生および65~74歳600円
中学生以下および75歳以上無料、
障害者(一般)400円、障害者(高校、大学生)300円
団体(一般)600円、団体(高校、大学生)500円
ぐるっとパスご利用の方300円(年齢などによる割引の適用外になります)
※一般以外のチケットをお買い求めの際は、証明できるものをご提示ください。
(健康保険証・運転免許証・障害者手帳など)
※障害をお持ちの方の付き添いでお越しの場合、1名様までは障害者料金でご
観覧いただけます。
主 催 練馬区立美術館(公益財団法人 練馬区文化振興協会)、日本経済新聞社
図 録 『麻田浩 静謐なる楽園の廃墟』(図録兼書籍/青幻舎)※
一部展示替えがあります。
前期(~10月20日)のみの作品は、
《水のはなし》(1)~(10)の10点と《デッサン(女性)》1点
後期(10月21日~)のみの作品は、 《H・ファーブル昆虫記より》シリーズの7点と《デッサン(女性)》1点
その他の作品は全期間展示。<会期中のイベント>講演会、ギャラリートーク、ワークショップなどを開催、詳しくは
こちら<相互割引>練馬区立石神井公園ふるさと文化館開催の特別展「
描かれた練馬ー変わる風景・変わらない風景ー」(9月16日(土)~11月5日(日))と相互割引があります。
会期中、本展と上記展覧会のそれぞれの
半券を各館窓口でご
提示いただくと、
各種料金から100円引きでご覧いただけます。(1枚につき1名様有効)
特別展「描かれた練馬-変わる風景・変わらない風景」については
こちら<同時期開催>南丹市立文化博物館(京都府南丹市園部町小桜町63番地)
秋季特別展「麻田浩展~小さな絵の世界~」会期 2017年9月30日(土)~11月26日(日)
南丹市立文化博物館については
こちら秋季特別展「麻田浩展~小さな絵の世界~」については
こちら